ピアノを弾き始めた。二ヶ月半になる。楽しい
COVID-19 の緊急事態宣言で(あるいはその前から) 自宅での時間を持て余して、何か新しい趣味に手を伸ばした人は、相当の数いるだろう。私もその1人だ。
二ヶ月半前、最初は Handel の HWV 440 1. Allmenand の右手パートをなぞるところから初めてみた。録音があまりない曲。キースジャレットの演奏が楽しさに満ち溢れた感じで気持ちいい。
ちょっとずつ右手パートをなぞっていただけなのだが、自分でも信じられないくらい没頭できて、最初の休日は昼から夜まで数時間弾いて潰した。以来、毎日、練習している。
そうそう、会社がリモート化を推進してくれたおかげで、朝起きて30分、昼ご飯食べて15分、おやつ休憩時間に10分、お仕事を終わって寝るまでの時間を費やせている。
練習の話
「その曲からピアノやるんですかい !? 」ってツッコミを方々から受けそうだ。当然、技術の未熟さで超えられない壁にブチ当たってるので、基礎の基礎を身に付けるための練習曲も並行して進めている。ドミファソラソファミド ♬
達成したい大きな課題を得てから、小さな問題解決に回帰するってのは、技術者の学習でもよくあるパターンなんじゃないだろうか (例: カーネルの本読み始めてから C 言語の勉強始める )
新しいことへのチャレンジ
独学でも、かなりのレベルでピアノを弾けるようになった友人や、 (かつての) 会社の後輩などを知っている。
そういう 先輩 がいることで「ほいじゃ、0 からでも自分もやれるかなぁ」という心理的安全性(?) を得ているようにも思う。平均律クラヴィア曲集 第1巻 1番のプレリュード を通して弾けるようになってから (ミスはたくさんするけどね)、もっとやれそうと自信がでてきた。
同じくピアノを始めた職場の後輩もいて こういう入り方もあるんだなぁと学びになっている。
好きな曲の話
今は、フランス組曲の4番に挑戦している。この曲は好き過ぎすぎて結婚式の BGM にも選んだくらいなので、自分でそれを弾ける喜びで没頭できる。
奏者は、キースジャレットか、あるいはペライアがいいなぁ
ゆっくり、感傷的にふった解釈だと、ニコラーエワの演奏が白眉。
Bach - Tatiana Nikolayeva (1984) French Suite No.4 in E-flat major, BWV 815
グールドとアシュケナージのは、 随分とテンポが早いなと思う。もう少し抑えめがいいかな
たのしい駆動
趣味であれ仕事であれ、熱中的に取り組んでいる何かの「楽しい」に突き動かされて それが自身の成長や成功へと繋がった !!!! という話は、ほんとよく聞くものだけど、そこまでの 「楽しい」を見つられるかどうかは さてはて 難しいものだなと思う。
ただただ「楽しい」という内的なモチベーションに駆動されている精神状態は、得難い。
Web 系企業のソフトウェアエンジニアとして技術の研鑽に励んできた/いるが、「楽しい」ドリブンで取り組んできたものは、確実に自分の血となり肉となったように思う。例えば、Linux の低レイヤーのデバッグスキルなど。
しかしながら、かつて「楽しい」と取り組んでいた技術的なモノ・コトも、正直、最近は外的な要因にモチベーションを大きく左右されやすくなったようにも思う ( 例えば、会社での評価だとか目標だとかね ) 。
技術者として、「楽しい」を再発見する機会を改めて作り出さないとなぁとため息をつく。
- 作者:パトリシア・A.クラントン
- 発売日: 1999/03/01
- メディア: 単行本
この本に 成人の学習者が、学習(趣味) へのモチベーションをどう喚起するか!? な話が書いてあった気がするが、思い出せない。学術的な話を引用してカッコよく締めようと思ったのが。