例えば、「常套句」への反論──
「そんなの世間では通用しないよ」
「それは本質的な議論ではないよ」などと、感情的に一方的に議論を打ち切ろうとする相手に対しては、
「どういう意見が通用するの? この意見が通用しない理由は?」
「では本質的な意見とは何でしょうか? 私の意見との違いは?」と理性的に返せばいいし、もっとシンプルに、
「世間というのは、あなたの意見のことではないの?」
「本質というのは、あなたの意見のことじゃないの?」
太字の部分。太宰治の小説の中でも似たような件が出てきたのを覚えている。ひどく印象的な言葉で自分の中に焼き付いている。自堕落な放蕩暮らしをずるずると続ける主人公に対して、親身になった友人が「世間は認めてくれないよ」と諭すんだけど、主人公は「世間とは君のことだろう。君が僕を認めないのだろう」と言った感じで切り返す場面。(どの小説だったかは覚えてない。「世間」ではなく「社会」だったかも・・・)
「世間」「社会」「世界」「常識」「一般」といった言葉は 慎重に使わないとひどく陳腐な響きになる気がする。